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日別アーカイブ: 2025年8月22日

VIVA DaD日誌~環境×給液×整枝×出荷~

皆さんこんにちは!

宮崎市郡司分できゅうりを育てている農家の

VIVA DaD、更新担当の中西です!

 

~環境×給液×整枝×出荷~

 

きゅうりはスピード勝負の作物。**環境(温湿・風)×給液(EC/pH・タイミング)×整枝(果負担の配分)×出荷(温度管理)**が揃うと、収量と品質は一気に安定します。ハウス土耕・養液いずれでも再現しやすい“現場の型”をまとめました。✨


1|品種・作期の考え方

  • 単為結果性が基本(受粉不要)。節成り・曲がりにくさ・耐病性で選ぶ。

  • 作期は地域とハウス性能で調整。高温期=遮熱/換気重視、低温期=保温/地温重視


2|定植前チェックリスト ✅

  • 土耕:pH5.8〜6.5、塩類過多の圃場は前作残肥の洗い出し→元肥は控えめ。

  • 養液:スタートEC1.5〜2.0 mS/cm目安、pH5.8〜6.3。*品種・生育で微調整。

  • 地温20〜22℃が根のご機嫌ゾーン。ベッド・畝のマルチ/加温/潅水温で調える。️


3|環境づくり=“光と風の通り道” ☀️

  • 日中24〜28℃夜間:**16〜20℃**を目安に。

  • VPD(葉裏の乾き具合)は0.5〜1.2kPa帯が安定。加湿し過ぎはべと病の誘因。

  • 換気→遮光→霧散水の順で過昇温を抑える。CO₂施用は朝の同化ピーク中心に。


4|給液・施肥の“タイミング設計”

  • 日射比例潅水を基本に、朝は控えめ→昼ピーク→夕方切り上げ

  • ECは樹勢と果負担で上下させる(樹が走る=上げる/硬すぎ=下げる)。

  • Ca/微量要素はローテで。急な乾湿差は曲がり・尻細りの原因に。


5|整枝・誘引=“1節1果”のリズム

  • 1本仕立て+つる下ろしが長期安定の基本。

  • 1〜5節は雌花・側枝を整理→根張り優先。以降は側枝1〜2葉で摘心

  • 果数管理:若木は隔節着果、樹が乗ったら連続着果へ。

  • 摘葉下から古葉を少しずつ(一気に抜かない)。クリップ・フックはたるみゼロで。


6|病害虫の“初期サイン”と初動 ️

  • べと病:葉に黄緑斑→換気・除湿、早期防除。

  • うどんこ:白粉状→風通し改善、薬剤ローテ。

  • 斑点細菌病:水滴で拡大→散水時間の見直し。

  • ハダニ・スリップス・アブラムシ黄色/青色粘着板+天敵/選択剤で早期対応。

ラベル遵守・希釈・間隔厳守。防除記録は次作最大の武器。


7|収穫・予冷・出荷 ❄️

  • サイズ:一般規格はL(21〜23cm)中心。若どりで曲がり・尻細りを回避。

  • 収穫時間朝どれで熱負荷を最小化。

  • 予冷10〜12℃・高湿度でクールダウン(低温障害を避ける)。

  • 包装:水滴NG、結露防止の温度管理→袋/トレー詰め→日付・ロット印字。️


8|日次・週次の運用 ️

  • 日次:葉色・果色・先端の伸長、潅水ログ、ハウス温湿CO₂。

  • 週次:摘葉・つる下ろし、フィルタ掃除、粘着板更新、歩留まりレビュー

  • 月次:EC・pHトレンドと収量/規格率の相関をチェック。


まとめ
きゅうりは**“リズム”の作物**。環境→給液→整枝→収穫→温度管理同じ順番で回すだけで、曲がりと不ぞろいが減り、箱の満足度が上がります。次の一手は朝どれ→即予冷の導線づくりから。✨

 

 

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