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皆さんこんにちは!
宮崎市郡司分できゅうりを育てている農家の
VIVA DaD、更新担当の中西です!
目次
前回は「土づくり」や「環境」についてお話しましたが、今回は実際の栽培工程を詳しくご紹介します。
一本のきゅうりが実るまでには、たくさんの愛情と繊細な管理が詰まっています。
きゅうりの栽培は、健全な苗づくりが第一歩。
郡司分では接ぎ木苗が主流で、台木にはウリ科の強健な根を持つ植物(例:カボチャ系)を使用し、病気への耐性を高めています。
育苗期間:約25日
管理温度:昼25〜28℃、夜18〜20℃
光と水を調節して「締まりのある苗」に
葉の色・茎の太さ・根の活力。どれも見極めて定植のタイミングを見計らいます。
きゅうりは、成長の早い作物。
放っておくとツルが絡み合い、日照不足や病気を招くことも。だからこそ、こまめな整枝・摘葉作業が肝になります。
主枝と側枝のバランスを見ながら整枝
古い葉は早めに摘み、通風と光を確保
実の付き具合を見て着果調整(1節飛ばし、2果制限など)
この作業は毎日欠かせません。熟練農家ほど、きゅうりの“顔”を見ただけで何をすべきか判断します。
水を与えすぎれば実が水っぽくなり、足りなければ実が細くなる。
肥料のタイミングも成長ステージによって変わるため、「その日、その株の状態」に合わせた対応が求められます。
朝と夕方にハウスを巡回し、葉のツヤや張りをチェック
液肥は点滴チューブで微量制御
極端な気温変化には葉水や遮光で対応
まさにきゅうりと対話する日々です。
きゅうりは1日で3〜5cm伸びることもある野菜。
だから収穫はとにかくタイミングが命。理想のサイズ(18〜22cm程度)を狙って、朝早くから収穫を行います。
AM5:00〜6:30:ヘッドライトを付けて収穫スタート
収穫後すぐに選別・冷蔵へ
見た目・重さ・太さを細かく選り分けて出荷
新鮮さが命だからこそ、スピードと正確さが問われる工程です。
郡司分の農家たちは、ただ“作物を育てる”だけではなく、**「誰かの笑顔に繋がる一品を育てる」**という気持ちで日々きゅうりと向き合っています。
スーパーや市場で手に取られるその一本の裏側には、数えきれない工夫と情熱、そして自然との共生があります。
宮崎の地、郡司分で育ったきゅうりが、全国の食卓に並び、シャキッとした食感とみずみずしさで「おいしいね」と言ってもらえる瞬間が、何よりのやりがいです。
これからも土と対話し、作物と向き合いながら、「日本一のきゅうり」の名にふさわしい味を追求してまいります!
次回もお楽しみに!

皆さんこんにちは!
宮崎市郡司分できゅうりを育てている農家の
VIVA DaD、更新担当の中西です!
目次
実は、宮崎県は日本一のきゅうり生産県。
その中でも郡司分は、恵まれた地形と気候、そして技術力を武器に、品質の高いきゅうりを安定して出荷しているエリアです。
今回は、そんな郡司分のきゅうり栽培の“基本のキ”ともいえる、**「環境」と「土づくり」**についてご紹介します。
宮崎県では年間を通じて温暖で日照時間も長く、促成栽培に最適な環境が整っています。
特に宮崎市南部の郡司分は、霧島山系から流れ出る良質な地下水と、水はけの良い地質が特長。
・冬でもハウス内の温度が下がりにくい
・湿度が安定し、病気のリスクが低い
・風も穏やかでハウスが長持ち
といった自然条件に恵まれています。
どんな作物も、まずは**「土づくり」が命**。きゅうりは特に「根の張り」が品質に大きく関わるため、根がストレスなく育つ土壌環境が必要です。
堆肥(牛糞や完熟鶏糞)をたっぷり入れ、団粒構造を強化
微生物資材(納豆菌系、放線菌など)を加え、土壌中の微生物バランスを整える
pH調整:酸性土壌を石灰などで矯正し、pH6.5前後に保つ
過剰施肥は、きゅうりの「ツルボケ」や「苦味」につながります。
そのため、施肥設計には毎年土壌診断を実施し、適正な窒素・リン酸・カリ量を調整。必要最低限の施肥で“本来の旨さ”を引き出します。
郡司分の農家ではほとんどがハウス栽培。施設内は遮光率・通気性・温度湿度のバランスを考えた設計になっており、**夏でも冬でも“きゅうりにとって快適な環境”**を作り出しています。
夏は遮光ネットやミストで温度を下げ
冬は重油や電熱ヒーターで温度を保ち
換気扇で常に空気の流れを作る
こうして365日、“旬の味”を守っています。
郡司分には、「どうせ作るなら“宮崎らしい”きゅうりを」と品質にこだわる農家が多く集まっています。
見た目の美しさだけではなく、「歯ごたえ・みずみずしさ・ほんのりとした甘み」を追求し、全国の市場から高い評価を得ています。
次回は、郡司分流の「苗づくり」「摘葉」「整枝」「収穫」など、きゅうりを育てて実を結ぶまでの“日々の作業”について詳しくご紹介します。
きゅうりがどんな想いと工夫のもと育てられているのか、その裏側をぜひ覗いてみてください!
次回もお楽しみに!

皆さんこんにちは
VIVA DaDの更新担当の中西です
~おいしい見分け方~
きゅうりは年中出回っている野菜ですが、その中でも「当たり」は確実に存在します。実は、色・ツヤ・硬さ・形状などに注目するだけで、おいしいきゅうりを見分けるコツがあるのです。
ここでは、買ってから後悔しないための目利きポイントを、具体的にお伝えします。
目次
濃い緑色でツヤがあり、全体にムラがない
表面の「いぼ」がくっきりしている(新鮮な証)
色が黄みがかっている(熟しすぎ、苦味や水分低下)
表面が白っぽくなっている(乾燥や劣化)
→ 濃い緑色+光沢感が「収穫したて」のサインです。
しっかりしたハリと弾力がある
見た目よりずっしりと重い
→ 水分が詰まっている新鮮な証拠。手で軽く押したときにしなるようなら避けましょう。
基本的にはまっすぐで太さが均一なものがベスト
ただし、自然な曲がりがある方が甘みが強いことも
→ 工業製品のような「完璧さ」にこだわらず、自然な姿の中に旨味があるという視点も大切です。
ヘタが乾いていない(切り口がみずみずしい)
先端部分がしなびていない
刺(トゲ)が残っているなら採れたての証
→ 特にヘタは、収穫後の時間を知るバロメーター。ヘタが黒ずんでいるものは避けましょう。
軽く指で叩くと「コツン」と高めの音がする → 水分たっぷり
香りを嗅ぐと、青臭さよりも青々しいフレッシュな香りがするものが◎
→ 店頭で気になるときは、複数個に触れて比較してみましょう(マナーを守って)。
冷蔵庫では乾燥防止にラップを巻いて野菜室へ
3日以内に食べるのがベスト
食感を活かした料理:塩もみ、浅漬け、ナムル、冷やし中華など
→ 買った後も、保存と調理で味の良し悪しが決まります。
おいしいきゅうりを選ぶには、「見た目」だけでなく、「触感」「重さ」「香り」「音」といった五感を活かすことが大切です。毎日の買い物でもちょっとした意識を変えるだけで、味も満足感もぐっとアップします。

皆さんこんにちは
VIVA DaDの更新担当の中西です
~歴史~
きゅうりは、現代の日本ではサラダ・漬物・和え物などに欠かせない野菜です。しかし、原産地や伝来の経路、食文化に与えた影響についてはあまり知られていません。きゅうりの長い旅と、日本での受容の変遷について、深く掘り下げていきます。
目次
きゅうりの原産地は、インド北部からヒマラヤ山麓にかけての地域とされており、約3000年以上前から栽培されていた記録があります。古代エジプトやギリシャ、ローマでも知られており、古代ローマの皇帝ティベリウスが1年中きゅうりを食べるために温室を使わせたという逸話もあるほどです。
→ きゅうりは世界で最も古くから栽培された野菜のひとつといえます。
きゅうりは、シルクロードを通じて中国に伝わり、「胡瓜(こか/こうり)」と呼ばれるようになります。これは、胡(中央アジア・ペルシャ方面)から来た瓜という意味であり、漢代には中国全土で広く栽培されていたことがわかっています。
→ 「胡瓜」という漢字表記は、のちに日本にもそのまま伝わります。
6世紀頃には中国から日本に伝来したとされ、平安時代の文献にも登場しています。ただし当時のきゅうりは今のように「青い実を食べる」ものではなく、完熟して黄色くなった実を果物のように食べていたようです。
江戸時代になると栽培が盛んになり、苦味の少ない改良品種が普及していきました。一方で、「きゅうりの断面が徳川家の三つ葉葵に似ている」として、武士の間では縁起が悪いとして避ける風習もあったとされます。
昭和に入ると、苦味の少ない・形の整った・病気に強いきゅうりの開発が進みました。現在ではハウス栽培や接ぎ木による病害防止技術の発達により、1年を通して安定供給が可能です。
| 品種 | 特徴 |
|---|---|
| 夏すずみ | 病気に強く、みずみずしい食感 |
| シャキット | シャキシャキ感と味の濃さが特徴 |
| フリーダム | イボが少なく、皮がやわらかい |
→ 加熱調理用・生食用・漬物用など、用途別の品種も増えています。
「かっぱ巻き」=河童の好物という民間伝承
きゅうりの輪切りに魔除けの意味を込める風習(地方による)
夏祭りや農村行事での供物としても登場
→ きゅうりは、食材であり、象徴でもある存在として、地域文化にも根づいています。
インドで生まれ、シルクロードを渡り、やがて日本で独自の進化を遂げたきゅうり。その歴史は、気候・文化・信仰の影響を受けながら形を変え、味を磨き続けてきた軌跡です。
普段の一本にも、数千年の物語が詰まっている。そう思うと、きゅうりがより一層味わい深く感じられるはずです。
